タンポポ調査の結果について

 

 タンポポの分布を調べ、環境との関連を調べながら身近な自然について考える「タンポポ調査・西日本2010」が行われました。この調査は2009年から2010年の2年間にわたり、西日本の福井、三重、滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山、鳥取、島根、岡山、広島、山口、徳島、香川、愛媛、高知、福岡、佐賀の19府県にわたる広い範囲で行われました。市民のみなさんに加えて、博物館や大学などの専門家が協力することにより、詳細でかつ学術的にも裏付けられた結果を出すことができました。
 徳島県では徳島県立博物館が事務局となりタンポポ調査徳島県実行委員会を結成し、県内の調査を進めてきました。500名を越える県民の皆様の協力をいただき、在来種の割合が西日本で一番高いことや絶滅危惧種のクシバタンポポの新産地発見など多くの成果を得ることができました。

 その結果がまとまり、3月5日に大阪で開催される報告会を皮切りに、報告書の出版報告書の徳島県分の抜粋)、結果をまとめたカラーチラシの配布が始まります。徳島県立博物館では結果を県民の皆様にわかりやすく紹介するためにミニ展示会や講座を開催します。

1.調査期間
  予備調査:2009年3月1日〜5月30日
  本調査:2010年3月1日〜5月30日

2.調査体制
  全体の調査:タンポポ調査・西日本2010実行委員会
        事務局:社団法人 大阪自然環境保全協会内
        〒530-0041 大阪市北区天神橋1-9-13ハイム天神橋 202

  徳島県の調査:徳島県実行委員会
         事務局:徳島県立博物館 委員長:米澤義彦 鳴門教育大学教授

3.徳島県の参加者は両年で500名を越えました。調査用紙に書かれた名前からは502名になります。

4.2010年の本調査において徳島県では6175件の有効データが集まりました。参加19府県の中で最も多い値です。みなさまが協力していただいた成果です。

※有効数:すべてのサンプル数(総サンプル数)から、頭花の無いものやタンポポ以外の無効数を除いた数

5.徳島県では全体の49.2%のメッシュについてタンポポの報告がありました。これは香川県に次いで2位となっており、よく調査されたことを意味します。

6.徳島県ではカンサイタンポポ、シロバナタンポポ、クシバタンポポ、セイヨウタンポポ、アカミタンポポの5種が見つかりました。特にクシバタンポポは徳島県の絶滅危惧種ですが、その分布の詳細が明らかになりました。
  詳細な分布図

7.外来種の割合や密度は都市部ほど多い傾向にあります。

8.外来種と在来種の雑種の割合を調べたところ、セイヨウタンポポのうち63.8%(全体では62.9%)、アカミタンポポのうち22.4%(全体では31.3%)で、セイヨウタンポポと思われているものの半分以上は雑種であることがわかりました。

9.各府県のタンポポの割合を調べたところ、環境のよい場所に多いとされるカンサイタンポポの割合が西日本の中で徳島が一番多いことがわかりました。タンポポからみれば他県よりもよい環境にあることが推察されます。

タンポポの割合

 

10.ただし、山間部の過疎化の進んだところでは、タンポポが数株しか見つからなかった場所もあり、今後もその変化についてモニタリングする必要性があります。


 

タンポポ調査の結果公表スケジュール

● 3月 5日(土)13:30〜16:30

「タンポポ調査・西日本2010」調査報告会
大阪市大文化交流センター(大阪駅前第2ビル・大ホール)

 

● 3月23日(水)〜5月15日(日)

 徳島県立博物館 部門展示「西日本のタンポポ」
 会 期 平成23年3月23日(水)〜5月15日(日)
 休館日:月曜日
 会 場 博物館常設展示室内 部門展示室(2階)
 観覧料 通常の常設展観覧料
     (一般200円/高校・大学生100円/小・中学生50円)
※ 祝日の観覧無料。土・日曜日,春休み期間は,小・中学生及び高校生の観覧無料。

 

● 3月27日(日) 13:30〜14:30

  ミュージアムトーク 「みんなで調べたタンポポの分布 タンポポ調査・西日本2010の結果より」

 

● 3月27日(日) 15:00〜15:30

 部門展示「西日本のタンポポ」展示解説
※大学生と一般の方は、通常の常設展観覧料が必要です。

 

 調査報告書や分布図はタンポポ調査・西日本2010実行委員会のホームページから3月5日より閲覧・ダウンロードできます。


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