タンポポ調査のツール集:「ウォッちず」で選んだ地点の経緯度を入力
動作の原理
私たちが,「ウォッちず」のような地図サイトで場所を調べ,その経緯度を取ってきてエクセルやファイルメーカに入力する場合は,次のようなステップを踏みます.
1.地図サイトの検索ページを開いて,ランドマークなどの文字列を入力する
2.表示された地図の周辺を探してダブルクリックし地点をポイントする.
3.なんらかの経緯度を表す文字を見つけそれをファイルメーカなどにコピーする.
この作業を繰り返すことになりますが,10地点くらいですとなんとかやろうという気になりますが,1000地点を上記の方法でやろうとするとたいへんです.それを機械的にできることはコンピュータにやらせたのがこのツールです.
上記の1の作業を受け持つのが「ランドマークをうおっ地図で検索」というファイルメーカのスクリプトです.
このスクリプトはフィールド:ランドマークに入力された文字列を元に「ウォッちず」用にURLを作成し,safari(ブラウザ)でそのURLを開くアップルスクリプト(applescript)を実行しています.その際URLに
http://watchizu.gsi.go.jp/search.aspx?searchwords=徳島県立博物館&chuki=t&koukyou=t&pref=0
と日本語(2バイト)を入れると検索結果がおかしくなりますので,URLエンコードを行って
http://watchizu.gsi.go.jp/search.aspx?searchwords=%93%BF%93%87%8C%A7%97%A7%94%8E%95%A8%8A%D9&chuki=t&koukyou=t&pref=0
のようにしています.
「%93%BF 」というのが「徳」という文字列にあたり.こういう変な文字に変換しないとサーバがブラウザから送られた文字がうまく解釈できないのです.それをおこなっているのがデータベースと同じフォルダにある「encode.pl」でperlのスクリプト(プログラム)になります.これに文字列を送ってやると上記のURLエンコードされた文字列に変換できます.ファイルメーカの新しいバージョンではこのURLエンコードが関数として組み込まれているようで,このような面倒なことをやる必要がないようなのですが,私が使っているver.8ではできないようで上記のようなファイルメーカのスクリプト(一括処理)でもなく,アップルスクリプトでもない元々はUNIXのツールであったperlを動かしています.これは難しいように思われるかもしれませんが,いろいろなツールを組み合わせて処理できるために強力な武器となっています.
当館では植物標本の高精度画像データベースを公開していますが,これもファイルメーカのデータをアップルスクリプトで制御して,データの加工はほとんど人手を用いないでやっています.
話は長くなりましたが,こうやってデータベースに登録した文字列で検索を行わせています.
次に3のステップは「「ウォッちず」の経緯度取り込み」というファイルメーカのスクリプトで行っています.
これもアップルスクリプトですが,「ウォッちず」とSafariの場合は目標の地点をクリックすると「名称未設定」というウィンドウが開かれ,そこに経緯度が表示されます.まず,Safariのウィンドウの名前を調べ,「名称未設定」というウィンドウがあれば,そのテキストの経緯度の部分を抽出します.そしてその経緯度をファイルメーカに入力するというステップを行っています.
私自身は,プログラミングを大学の授業などで受けたことがありませんので,詳しいことはよくわからないというのが本音です.エレガントでクールなプログラミングはできませんので,動けば良いというスタンスでやっています.いずれにせよ,「ウォッちず」やファイルメーカ,OSが仕様を変更すればプログラミングも修正が必要ですので,プログラミングの中身をこだわらずにやっていくのが良いかと思っています.
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