2019年と2020年の春に福井県から山口県にかけての西日本17府県のタンポポを調査します。あなたも参加してみませんか
タンポポ調査・西日本2020 調査の目的
大阪で1975年に,タンポポの種類を調べることで,身近な環境に目を向けるとともに,その環境の現状を知ろうと呼びかけて以来,全国各地で環境について知ろうとする市民参加の「タンポポ調査」が続けられてきました。ところが,90年代に入って在来種と外来種のタンポポの間に雑種が形成されていることがわかり,タンポポ調査の意義について疑問が出されたこともあり,あまり行われなくなりました。そこで,2005年に近畿全域で雑種も含めたタンポポの分布調査を行い,タンポポ調査の意義を再検討しようと考え,タンポポの研究者にも呼びかけて,より有効な調査方法を検討しました。その方法に基づいて,近畿7府県によびかけて調査を行ったところ,3万点余りのサンプルが得られました。その結果を集約し,1970年代の結果と比較することで,近畿地方での外来種タンポポの分布の拡大状況が明らかになりました。また,そのうち1千点近くのサンプルの雑種解析を行い,すでに報告されている関東や全国調査での数値に比べると,雑種比率はやや低いものの,近畿全域にかなり広がっていることが確認できました。
そして,その調査から5年後の2010年には,近畿地方に加えて四国・中国地方の全府県と福井・福岡・佐賀県を含めた西日本の19府県(カンサイタンポポの分布域にほぼ相当)でタンポポ調査実行委員会が結成され,市民参加の生物調査としてはまれに見る大規模な調査が実施されました。その結果,2009年の予備調査も含めて,約7万点を超えるデータが得られ,結果は報告書にまとめられ,各地域による外来種・在来種・雑種の分布状況の違いが明らかになりました。このように,外来種の分布拡大から環境の変化を知ろうとして始まったタンポポ調査は,多くの市民や研究者との協同によって,大きく広がっています。その後,2014~2015年にも同じ規模の調査を行い,今回は最初の調査から10年間の変化を知るために,2019~2020年の3~5月の近畿・四国・中国地方の17府県でタンポポ調査を計画しています。ぜひとも,タンポポ調査にご協力下さい(詳しくは,最終ページのホームページをご覧下さい)。
(タンポポ調査・西日本実行委員会事務局)